この仕事は、誰がするの?

 市民病院に7年半勤務していた。市民病院は、医師・看護師・薬剤師・理学、作業療法士放射線技師・栄養士・事務職員・医療事務社員・・・・らがいる。

 医事課に配属されたとき、よく耳にしたのが「これはウチの仕事ではありません」という言葉。病棟看護師は「うちの外科病棟に内科の患者は入れられない」とガラガラの病室を提供しない。ついには、ローテーションが回らないので人を増やせという。仕事のローテではない。休暇を消化するためのローテが組めていないということである。

 医療事務社員は、事務職員に「これは契約外の仕事」「これは看護師の仕事」、いつもの決めセリフは「これをする代わりに委託料を上げろ」であった。(その代り、できていない業務については一言も触れない)

 事務職員は、総務課と医事課に分かれ(いまは違う)総務課は「内部事務の雑用ばかりで手が足りない」といい医事課は「窓口事務の雑用ばかりで手が足りない」という。

 医師は、診療科ごとに医局・出身大学という壁があり、さらに同じ診療科でも専門分野の壁がある。内科で発見したがん患者を外科ではなく、他院に紹介することも多かった。

 いま経営難、医療サービス競争という荒れた大海を航海せねばならないのに船の中は、みんなバラバラ。すべてのことにオールマイティな人はいないし、すべての部署の立場を理解することは大変難しい。かといって何もしない、できないでは何にもならない。お互い、対話し歩み寄らなければならない。