誰のために仕事をするのか②

 わずか2年半であったが市の予算編成の業務に携わったことがある。初めてのことばかりでとまどうことばかりであった。そのときよく助けてくれたのが各局の総括課の担当職員であった。

 自分にとって理想的な予算編成は、総括課と共同して原課を説得し、余分と思われる予算を削り、足らないところがあれば増やす、というものであった。

 どこが余分でどこが不足しているかは、日頃の執行状況(一定金額以上の執行は必ず合議が回ってくる)や決算額と予算額の差をみたり、予算の振替の有無などをみればおよその見当がつく。

 ただ、そこをいきなり査定するといっても感情的にはねつけられるので総括課に打診し、削る代わりに別の所を補てんしたいといって差引きは、マイナスになるよう調整する。増減があってもトータルでマイナスにできれば上司にも説明がしやすい・・・という具合だ。(結果的には、たくさんの痛い思いをした・・・がよい経験であった)

 そういう経験をしてきたからか「総括課」とは、それぞれの局をたばねる扇(おうぎ)の要(かなめ)だと思っている。原課が思う存分、事業ができるかどうかは総括課との連携にかかっている。

 自分がやっている業務をチームのためと思うことは当然だが、それをグループのため、部のため、教育委員会のため、西宮のため・・・・と広げていかなければ、一生懸命やっていても時としてひとりよがりになる可能性がある。そのとき手助けになるのが総括課である。

 総括課の視点は、ときには教育委員会(狭義の5人で構成されるもの)の、またある時は教育長、議会、保護者・市民の視点であったりもする。

 特に、新型インフルエンザの流行、学校情報化、いじめ不登校対策、学校園の安全、児童生徒の急増対策などすべての部署が連携しなければならないときこそ視点を広げ、時には強力なトップダウンも必要ではないかと思う。

 どうも一人親方が多すぎてか??情報が滞ったり、対応が不統一だと思うのは自分だけだろうか。教育委員会事務局がそんなことであればとても学校園を支えることなどできないだろう。

 部外者がしゃしゃりでるなと叱られるまで原課・総括課に働きかけていきたいと思う。