新聞のコラムより

 あるN紙の夕刊の経済学者のコラムが興味深かったので紹介したい。

 19世紀末から20世紀初めにかけて米国で「社会ダーウィニズム」が席巻していた。それは、ダーウィンの進化論を社会にも適用し「白人は遺伝的に優秀だから高収入、非白人は劣っているから低所得に甘んじている」というものだった。
 しかし、70年代前半、サムエル・ボールズという経済学者はこの「社会ダーウィニズム」の仮説に統計的に反証してみせた。「貧しい家庭の子は、十分な教育を受けられないから貧しく、裕福な家庭の子は、十分な教育を受けられるから高収入を得やすい。だから貧困撲滅を最優先すべき」だと。
 もちろん、数多の例外があることを断っておかなければならない。しかし、もし、日本を人材立国にしようとするのであれば親の貧富と子供の受ける教育との因果の連鎖を断ち切るべきである。・・・・・・・

 自立心・学力等をはぐくむには、学校教育(部活等の校外活動も含む)だけでは不十分、ということで私学、塾や家庭教育等が必要といわれている。確かにこれらを子どもにさせようとすると経済的な負担が大きい。コラムでは、「幼稚園から大学院まで授業料を無料に・・・」との提言であるが、まず無理であろう。
 そうすれば、やはり授業料の負担の軽い公立学校の教育の充実というのが現実的であろうか。