やはり自治体職員も会計知識が必要

 ついに来たかという思いであった。損益計算書等の読み方研修(指定管理業者の)。いまのルーティンワークを体力の限りがんばるのも立派だがそのがんばりがどう利益等で反映されるのかを知らなければ事業を継続することはできない。

 これは、民間も行政も同じだ。法令遵守はもちろんのことその事業はどれだけの効果・利益(不利益)を生み出すのかを知らなければ事業を継続させることはできない。

 自称簿記3級見習いの自分も、時間をやりくりし周囲の目も気にせず研修申し込みをした。自分のもつ知識がどこまで通用するか試してみたかった。

 「人間は、感情の動物。人間関係を重視せずしてどうして仕事ができようか」若い頃、よく先輩にいわれた。しかし、いまは違う。感情を優先させて行政判断を行うと説明責任が伴う。つまり、より客観的な説明が求められるということだ。「自分が気に入ったから選択した」では、失格だ。舞台から降りていただかなければならない。

 「血も涙もないのか」といわれそうだが、より公平で客観的なのは「感情」ではなく、みんなを幸せにする(すなわち自治のこと)「理論」を構築できるかどうかである。自分にあわない人間を必要以上に過小評価しないよう、また、あう人間を過大評価しないようにするのも「理」である。

 「感情」だけが優先される組織はいずれ破たんする。それは、議会、監査、市民(保護者)の目があるからだ。

 さらに、「理」をきちんと説明するための「スキル」がさらに大事である。たとえば、プレゼン能力や図表の作成能力などである。

 話がそれたが、BS(バランスシート)やPL(プロフィット&ロス)も「理」を構築するもののひとつである。

 「すべての人間は、すばらしい心を持っている。しかし、その心はとても弱い」名言だと思う。

 相手を思いやるがゆえに「理」が求められる。一時の感情からくるやさしさは、その人の将来にとって本当のやさしさになっているだろうか?

 自分の職員生活20年の一結論である。(批判等はご自由に)