家庭不介入の学校には、未来はない

学校、特に小学校は児童・保護者にとって一番最初に深く経験する教育機関であり行政との接点ではないだろうか。家庭環境調査に代表されるように、児童の氏名・家族構成などを聞きとるし、学校生活が始まると学力・体力・生活習慣などが把握される。

過剰な個人情報保護が問題になっているが、学校にとってこれらすべては子どもの教育のためにはとても大切な情報である。これらの情報を得るにはもちろん学校と保護者との信頼関係が大切であるがときにはそういった関係が築かれる前に子どもの家庭環境に踏み込まなければならないことがある。

行政は、多くの場合、いろんな問題に対して遅れがちだ。そんな中、日々子どもたちと接している学校は、行政より先んじて種々の問題を把握することができるし、身近に見守りもできる。

残念なことに、こういった児童の家庭に対して積極的に介入したがらない学校も少なからずみてきた。「心配だと思うが・・・とても事情を聞けない。だから判断できない。何とかならないか?もしくは何かしてもらえないか?」といわれる。できれば直にこちらが出向いて学校に代わって保護者と話をしたいと思うときもある。しかし、学校運営は、学校長が責任をもって行うべきことである。

ある程度の情報提供、法解釈、他校の事例を伝えるといった協力は惜しまない。こちらも事務手続きだけをしているわけではない。しかし、家庭に足を運び、ひざを交えて話をするのは学校の使命であると思う。どうして保護者が変わったのか?なぜ姓が変わったのか?なぜ生活の場が変わったのか?必要と思われるときは、踏み込まなければならない時がある。

問題を早期発見し小さなうちに解決していくことが校内秩序の大きな安定につながるのだと思う。