土地開発公社と市民オンブズマン
下記の書籍からの引用である。
あしのべ市(架空の自治体)は、市が土地開発公社に先行取得の依頼をしたが未だ買取が完了していないいわゆる塩漬け土地を大量にかかえている。
公社は、土地の所有者から買収する資金のすべてを金融機関からの借入金で賄っており、その返済は市が買い取ったときの売買代金を充てることになっているから、市が買い取るまで金融機関への利息がかさむことになる。公社が買収に要した費用と利息は、すべて市の負担となってくることから、市としてもできるだけ早く買い取ることを求められているという設定だ。
その時、ある最高裁の判決が問題となった。
これまでは、市が公社から土地を買い取るのは、市と公社の間に先に締結した先行取得の依頼のための委託契約に基づく義務の履行として行うものであって、この義務を拒絶することは認められない、というのがこれまでの判例であった。しかし、それが覆る判決が出た。それは、先行取得に関する委託契約が無効や違法になるケースで市が漫然と公社から土地を買い取った場合は、代金の支払い等が無効や違法となり、その責任者への損害賠償が認められるというものであった。
どんなケースが無効や違法なのか?判決自体は破棄差し戻しになっているため地方自治法第二条第十四項や地方財政法第四条第一項の趣旨(最小の経費で最大の効果を挙げる)に損なう「特段の事情」「特殊な事情」とは、どういう内容なのかは、まだはっきりしていないが厳しい内容になりそうである・・・・・・。
自治体職員のための政策法務入門〈1〉総務課の巻―自治基本条例をつくることになったけれど (自治体職員のための政策法務入門 1 総務課の巻)
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エピソード16 塩漬け土地が買い取れない? より
本市が、このような状況なのかは知る由もないが厳しい世の中になったものだ。